アイスブレイクと日本人のプレゼンの問題点

昨年、司会/ナレーション業と並行して、話し方講師としてセミナーで述べ60名ほどの方にスピーチ指導を行ってきました。(ありがたいことにアンケート満足度100%を継続達成しております)
今年はコロナの影響で対面でのセミナーを行うのが難しくなっていますが、これまで受講生の方にのみ提供してきたスピーチ、プレゼンが上達するコツを、これから少しずつこちらのサイト内で紹介していきたいと思います。少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいです。


今日ご紹介するテーマは、アイスブレイクです。

その名の通り、氷を壊す、という意味です。わかりやすくいうと、その場の凍てついた雰囲気をぶち壊す、とでも言っておきましょう。初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法として知られています。
海外ではプレゼンの最初にかなり使われることが多いテクニックですが、生真面目な方が多い日本では、残念ながらまだ浸透していないようで、使っているのは一部の業界、そして一部の人のみです。

これまで会社員7年、司会2年で何百人の方のプレゼンをみてきましたが、このテクニックを使わないのはすごくもったいないと思いました!

特に、大勢の社外の方や初めて会う方に向けた長時間のプレゼンでは有効です。

では、具体的なアイスブレイクの例についてご紹介します。
最も簡単なのは、質問です。
たとえば、これから新しいノートパソコンの紹介をするとしましょう。
そしてこのパソコンの売りが、超軽量、だったと仮定します。

このような場合は、たとえば、【みなさんの中で、今お使いのノートパソコンが重くて持ち運びに不便だと感じている方、手を上げて頂けますか】というようなものです。質問は、YESかNOで答えられる簡単なものにします。また、自分も手をあげる素振りをします。こうすることで、手を上げやすい雰囲気を作ってあげるんです。

質問する内容は、プレゼン内容に関係することならどんなことでもかまいません。目的は、手を上げてもらって会場内に一体感を醸成すること、話し手と聞き手のコミュニケーションをとることで、聞き手に【今、自分はプレゼンというショーに参加しているんだ】という自覚を持たせることです。

いきなり【これから超軽量のパソコンをご紹介します】と言われて説明が始まるのと、【重いパソコンに悩んでいますか?】ときかれてから、話が始まる。
どちらの方が、より前のめりになってこの先の話を聞こうとしますか?後者ですよね。だって、自分に関係ありそう、と思うじゃないですか。

この、他人事(自分には関係ない)を自分事(自分にも関係ある)にかえるパワーをもっているのが、アイスブレイクなんです。聞き手を自分と同じステージにたたせて、同じ目線で話をするのがポイントです。

なぜここでステージやショーという言葉を出したのかというと、私はプレゼンとは、聞き手参加型のショーだと考えています。
話し手は演者、聞き手はショーの参加者なのです。
しかし実際の日本で行われているプレゼンのほとんどは、聞き手置いてけぼり型のワンマンショーです。

典型的なパターンとしては、まず話し手がプレゼンタイトルと名前を言っていきなりプレゼンが始まります。
そしてパワポのスライドの方をガン見しながらひたすら一方的に喋りつつけます。
聞き手の方を見ずに、彼らを置いてけぼりにするので、途中から多くの人が居眠りを始めます。
終盤に、とってつけたような質問タイムがあるけれど、とても質問しずらい雰囲気を醸し出し、極め付けは最後に【ご清聴ありがとうございました】で締める。静かだったことが、美徳、という前提での言葉ですが、実際にはガヤガヤしたり質問がたくさん出るようなプレゼンが素晴らしいプレゼンなのにも関わらず、です。
もはやこれが日本では普遍の定番スタイルと化しています。

海外駐在やグローバルビジネスを経験し、バイリンガル司会者としても海外の方のプレゼンスタイルを何百も見てきてあらためて思ったのは、このようなプレゼンスタイルはこれまでの日本だからこそ通用したのではないか、ということです。横並びで、どこの会社も似たようなスタイルなので、違和感がない。だれもおかしいとも感じない。このようなスタイルのままでは、今後海外市場でビジネスを拡大していくのは難しいでしょう。

このサイトでは、これから、このプレゼンという聞き手参加型のショーを、いかにして魅力的に作り込んでいくかについて解説をしていきます。

今日はまず一番出だしのアイスブレイクの例についてご紹介しました。

アイスブレイクは、プレゼンの中身へとつないでいくスタート部分でもあります。
今回は、プレゼン内容に関連するYES/NO質問、という例をご紹介しましたが、他にも様々なパターンがあります。またあらためてご紹介しますね♪

これからはオンラインでセミナーを開催したりプレゼンをする機会も増えていきます。聞き手とのコミュニケーションがより大事になるのです。生のプレゼンなら、どんなに退屈でも眠くても聞き手は最後まで座ってくれているでしょう。しかし、オンラインであれば、自分に関係なさそうと思ったら、聞き手はワンクリックで退出していまうかもしれないのです。

ぜひ聞き手を自分のショーに引き込むつもりで、アイスブレイクを自身の明日からのプレゼンに取り入れてみましょう!

準備は1つ。YESかNOで答えられる、プレゼンの中身に関係する質問を用意することです。これなら誰でもできます!ぜひ、聞き手とのコミュニケーションを楽しんでみてくださいね。

日本語•英語•中国語 バイリンガル/トリリンガル司会 城野えん

日本語•英語•中国語3カ国が話せるトリリンガル司会なら、城野えんにご相談ください。 IT業界での実務において3か国語を使用した経験から、国際的なイベントの成功をサポートします。スピーチ通訳も対応可能です!